NEWS / リレーエッセイ
2022.04.27

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【4月号】

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【4月号】

前回、大変ご好評をいただいたコミュニティ活動実践サポーターとしてご活躍中の前田恒夫さん(満79歳)のエッセイ、第2弾です!(第1弾のエッセイは「“不安”を越えて」です)
今回は『寄り添う』をテーマに執筆していただきました。日々、奮闘されている前田さんの想いをお届けいたします。

“寄りそう”とは

軽度認知障害当事者の一人として、コミュニティ活動実践への一歩の踏み出しから、半年を経過。今回は、これまでの実践経験から当事者にとっての“寄りそう”とはについて考えてみたいと思います。

まず、これまでの活動実践に際して、多くの方々からの支えのお蔭ということを改めて実感、“感謝”の気持ちでいっぱいです!一方、みんなの広場の“認知症カフェ”参加者の方々に、耳を傾けてみて、“寄りそう”ことの大切さを改めて実感中です。

では、“寄りそう”とは、一体どんなイメージでしょうか。個人的には、同じ目線で当事者の想いや悩みごとにシッカリと耳を傾けて欲しいことと、自分で“できていること”について、率直に認め勇気づけて欲しいことではないでしょうか。特に、今、出来ることで“一歩踏み出した”ことついては、エールを送って欲しいことだと思います。

次に、当事者にとって、“承認欲求(認めてもらいたいこと)”と“嫌な言葉”について考えてみたいと思います。
先ず、承認欲求例としては、“今、できていること”で、“役立っていること”があれば、家族からは是非“褒めて欲しい”との想いがあります。昔から、“褒めて育てる”との言葉がありますが、加齢とともに、“できないこと”が増える一方なので、なおさらのことです。

一方、嫌な言葉としては、「また・・・」、「さっき、言ったでしょう」等があります。この様な言葉を投げかけられると、折角、当事者自身が現実を受け容れ、一歩踏出そうとしている矢先の出鼻を挫かれる想いがするので、“決して口にして欲しくない”言葉です。

こんな時、介護士で認知症サポーター養成講座講師のK.Hさんが、「えがおで、自分に何ができるか、一緒に考えてみましょうね」と当事者目線で語りかける対応の在り方は、まさに“寄りそう”ことの具体的実践例として認識。当事者の方と対応する際の心得として、意識し臨みたいと思います。

寄りそうイラスト