NEWS / リレーエッセイ
2022.09.27

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【9月号】

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【9月号】

今月はコミュニティ活動実践サポーター前田恒夫様のエッセイ、第3弾です。(第1弾「“不安”を越えて」、第2弾「“寄りそう“とは」も併せてお読みください!)
以下、大豆戸地域ケアプラザ西本様のご推薦文と共にご紹介いたします。

今回も私たちの地域の宝である、前田さんのエッセイとなります!今回は前田さんの工夫する日々に焦点を当ててみました!前田さんの愛すべき毎日をみなさまと一緒にのぞいてみましょう。どんどん全国に活躍を広げられている前田さんに大きな期待を寄せています!

“工夫の愉しみ”

軽度認知障害当事者の一人として、コミュニティ活動実践への“一歩の踏み出し”から、ほぼ、1年を経過。
今回は、当事者にとっての“工夫の楽しみ”について考えてみたいと思います。

まず、加齢にともなう認知機能の低下として、“モノ忘れ”や“顔は浮かんでも、名前がなかなか思い出せない”等の典型的な症状が見受けられます。さて、このような場合、当事者各位はどのように対処しているのでしょうか。
以下、ご参考まで、私の場合を紹介させて頂きます。

先ず、“モノ忘れや置き忘れ対策の工夫例”として:
① 通院時にもっていく、診察券、保険証、クスリ手帳をビニール袋にまとめて入れておく
② 置き忘れ対策としては、メガネや財布、スマフォ、外出予定表を専用ボックスに入れて、家族にも周知しておく
③ ガスコンロ消し忘れ防止策としては、タイマーを設定し、ポケットに入れ持ち歩く
④ 工夫は楽しいものの、急に眠くなるので、仮眠をとって脳を休めた後、再開する

一方、“顔と名前の記憶”対策としては、ラジオ体操や認知症カフェ等で、初めてお会いする方々との自己紹介の際:
① 名前と自己紹介のキーワードをメモに書き留めておき、次回、お会いする際に、相手の方の名前で声かけし、確実に顔と名前を覚えるまで、意識的に会うよう心掛けている
② 一例として、“水にゆかりのある堀池さん”、といった具合に・・
③ また、珍しい苗字の場合、必ず出身地を尋ねるようにしている。一例として、須川さんは和歌山出身とのことで、“和歌山の須川さん”と声かけする
④ 逆に、名前を聞いただけで出身地が分かる場合、敢えて地名にヒモづけして名前を記憶する(例:沖縄の金城さん、宮崎の黒木さん、名古屋の祖父江さん等々)

この様に、当事者自身が自ら考え工夫することは、丹野さんも指摘のとおり、良い意味で認知症の症状を愉しむといった感覚で、家族にとっても助かるのではないでしょうか。