NEWS / リレーエッセイ
2024.01.30

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【2024年1月号】

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【2024年1月号】

今月は、上菅田地域ケアプラザ生活支援コーディネーターの貫洞泰代さんに、認知症カフェオープンのきっかけや過程、現在の様子を語っていただきました。「参加者の笑顔が活力」とお話される担い手の方々。優しさで溢れる素敵なカフェです。

参加者も担い手も輝く通いの場づくり

はじめまして。私は横浜市保土ケ谷区にあります上菅田地域ケアプラザで生活支援コーディネーターをしております貫洞です。
今回は、一昨年オープンした認知症の方やその家族が安心して参加できる通いの場、「まんまるオレンジカフェ」をご紹介します。

カフェを立ち上げたきっかけは、3年前孤立や閉じこもりなど、社会的フレイルの予防を目的にした通いの場づくりについて、認知症キャラバン・メイトの皆さんと一緒に考える時間を持ったことでした。
具体的な活動内容について話し合う中で、昔遊びや脳トレ、季節の童謡を歌って口腔ケアを行う他に、孤食を防ぐために食事を提供してはどうかとの声が挙がりました。一方で、時期的に食事の提供についてはより慎重になるべきとの意見もあり、最後までとても悩みました。

そのような経過を経て、今現在通いの場プラス共食の機会を提供する場として活動が継続できているのは、この時にできない理由を考えるのではなく、安全に食事を提供するための対策について前向きに話し合い、知恵を出し合うことができたからだと思います。また、不安を払拭するため、本格的なオープン前に2回のお試し期間を設けたことも、その後の活動に活かされているのではないでしょうか。

担い手の方々は、「参加してくれている方のキラキラした笑顔が自分自身の活力になっている」とお話しして下さいます。参加して下さる方だけでなく、オレンジカフェの活動が担い手の方々の健康や生きがいにもつながっていることが分かります。

認知症になっても、その当事者や家族が地域住民と共に安心して集える場が身近にある「やさしい町」は、きっと誰にとっても暮らしやすい町なのだと感じている今日この頃です。