NEWS / リレーエッセイ
2022.03.30
三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【3月号】
今月のエッセイは、認知症の人と家族の会 神奈川県支部の原さんです。原さんの夢、待ち望んでいる方がきっといらっしゃると思います。
認知症から学び得た私の道しるべ
初めての受診の時、「今の季節は何ですか?」「今朝、何を食べてきましたか?」等、医師の次々の質問に答えられず戸惑っている主人。信じられない光景でした。
「若年性のアルツハイマー型認知症に間違いないと思いますよ。」
医師からの言葉に真っ白になり、それからの毎日はインターネットで「若年性認知症」のワードをひたすら検索していた私。
あれから5年半・・・。週3日の午前中のみの簡単な仕事を何とかこなし、自分の住所、名前も書くことはまだ出来ます。
しかし、昨年二度行方不明になり警察のお世話になったり、自分(主人)は独り暮らしをしていて、私(妻)は世話をしてくれているお手伝いさんだと思っている時もあるなど、確実に少しずつ進行してきています。
私も主人もこの5年間、「本人ミーティング」や「家族会のつどい」、各地の「認知症カフェ」など参加して来ましたが、私にはやってみたい事があります。自分たちの住居地域でのピアサポート活動です。
本人達の居場所を作り、家族や支援者には話しづらいことも同じ立場の仲間だからこそ言えることもありますし、不安な気持ちを理解し共感し合えるようになればと思っています。
主人の発病前には『認知症』なんて考えもしなかった私が、こうして色々な活動に関わりたいと思いを巡らせています。
また私自身の今後の社会参加の道しるべになるとも感じ、実現に向けて一歩を踏み出そうとしているところです。