NEWS / リレーエッセイ
2023.04.24

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【2023年4月号】

三寒四温 ~こころをつなぐリレーエッセイ~【2023年4月号】

今月のエッセイは、横浜市立中学校2年生の吉村司さんです。令和4年度認知症キッズサポーター文芸・自由作品部門で最優秀賞を受賞されました。おめでとうございます!
認知症サポーター養成講座に参加したきっかけ、作品のポスターに込めた想いなどを語っていただきました。(※受賞時は中学校1年生)

優しい心があふれる社会を願って

こんにちは。横浜市立中学校2年、吉村司です。
この度は認知症キッズサポーター文芸・自由作品部門ポスターで最優秀賞をいただき、とても嬉しく思います。
私が今回、ポスターを描こうと思ったきっかけや理由を少しお話させていただきます。

私は5月にオンラインで認知症サポーター養成講座に参加しました。参加して初めて認知症について詳しく学ぶことができました。例えば、認知症の方の気持ちや、認知症の症状等です。その中で一番心に残り、印象強かった事が、ポスターに描いた「認知症の方のひとり歩きでの行方不明者の生存率」についてです。講師の本間さんから、「何の数字でしょうか」と、クイズを出され、私は分かりませんでしたが、生存率の数字だと聞いた時に、ドキッとしました。
行方不明になってから5日以降で生存率が0%になってしまうので、周りの人の声かけで、助かる命があることを知りました。
この事を他の人にも知ってもらいたいと思ったのでポスターにしました。
声をかけるのも勇気が必要ですが、傷つかない声かけの方法も本間さんから、教わりました。それが、「お困りですか?」です。ポスターの手のモデルは、知り合いの節子さんです。

私のひいおばあちゃんが認知症です。これが、養成講座に参加した理由です。ひいおばあちゃんは、遠く離れて暮らしているので会えていません。ここ数年で、私のことを理解できなくなってしまいましたが、ひいおばあちゃんがこれからも生まれ育った地域で笑顔で過ごしてくれたら嬉しいと思っています。優しい心があふれる社会になってほしいと思っています。
これからも、自分には何ができるのか。を考えていきたいです。
ありがとうございました。


吉村さんの受賞作品「温かい心 優しい言葉」